http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140312-00000053-mai-soci

性暴力を受けた男性の心のケアに取り組む神戸市の施設が開設から2年を過ぎた。男性専門の窓口は全国的に珍しく、カウンセラーの山口修喜(のぶき)さん(36)を頼って200人以上が相談を寄せている。だが、性被害を訴え出る男性はまだまだ少ないとみられ、山口さんは「男性被害者の存在を知ってほしい」と訴える。

山口さんはカナダの大学院で心理学を修了し、5年間、現地で男性被害者を専門に約100人をカウンセリングした。帰国後の2011年12月、神戸市中央区の自宅に「カウンセリングオフィスPomu」を開いた。

2年間で訪れた相談者は全国各地の約220人。年齢層は中学2年生から72歳の年金生活者まで幅広いが、被害を受けた時期は幼少期か中高生時代に集中している。幼少期は親や先生からの被害、中高生は学校や部活動でのいじめや悪ふざけでの被害が中心という。

相談者は20~30代が多く、「被害から十数年が過ぎ、ようやく自分自身を見つめ直して一歩を踏み出した」と山口さんはみる。その一方で、50年間被害を言い出せなかった人や、相談して初めて被害の深刻さに気づく人もいる。被害をきっかけに、男性は異性への性的な関心が低くなる傾向があるという。

山口さんの元へ定期的に通う40代の男性は中学1年生の時、同級生の集団いじめを受け、体育館倉庫で下着を脱がされた。つらい体験なのに性的興奮を覚えてしまい、「自分は本当に男性なのか」との戸惑いから、女性との恋愛がうまくいかず、未婚のままだ。

被害の時の記憶が突然よみがえって抑うつ状態に悩まされ、アルコールや薬に依存する被害者もいるという。山口さんは気持ちを鎮め、リラックスする方法を伝えている。「社会で広く認知され、男性が被害を訴え出やすい環境になれば」と願っている。問い合わせ・相談は電話(090・9622・4848)。活動の詳細はホームページ(http://www.pomu.info)。【宮嶋梓帆】